2018年12月5日水曜日

「でなおすうた」

こんにちは、宇佐美です♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪。

『初心のうた』。
今日はその重心となる「でなおすうた」についてです。


~でなおすうた~
あるものは野戦の地から わたしたちは帰還した 古墳の秘密を解読するノートへ
あるものは被爆の地から わたしたちは帰還した 毒で変質する細胞とらえるレンズへ
あるものは疎開の地から わたしたちは帰還した 下宿の畳へ古本の押し花へ 
若すぎる遺書へ 若すぎる遺書へ
決意の死から 生き延びかたへ 銃把から ペン軸へ 冬から春へ 冬から春へ
長かった凍結地から 芽生えふく風へ
軍靴の駆足から 無理強いられた挙手の礼から 軍靴の駆足から 無理強いられた挙手の礼から
そのまったくの無我夢中から 夢中から
尊敬の微笑みへ 知識のよろこばしい収得へ そして二人の愛の そして二人も愛のむつまじさへ
わたしたちは帰還した わたしたちは帰還した 帰還した 帰還したはずだった


この詩を読んだときの最初の印象は、辛辣な文章だということ。
被爆の地・毒で変質する細胞・若すぎる遺書・銃把・無理強い・・・。


全編を一定の低音で反復するピアノ伴奏。
重々しく骨太な旋律。
5分20秒という組曲の中で一番長い演奏時間のこの曲は、戦で傷つき夢中で生きてきた自分たちがそれに学び、尊敬・知識の喜び・愛することを再び感じ思い、段々前向きになっていく歌が最後に一転、「・・・はずだった。」で終わります。


この「はずだった。」という疑問符が言いたいこと。
それこそが『初心のうた』なのではないかと、思います。
昔も今も希望を持って未来に向かう若人たちに、過去を知る者たちからのメッセージのようなモノ。

単純に聴いている限り、悲惨な戦争に苦しんだ日本を歌ったようなモノに聞こえるかも知れません。
しかし私たち日本人は、そこから学び今平和な国を作ったという事。
原点は必ずあり、それを忘れてはまた辛い過去に戻ってしまうかもしれないという事。


単に「戦争反対!」というのではなく、過去から学んだことを忘れてはいけないという大切なメッセージがこの曲には込められているのだと思います。


そして最後の曲「泉のうた」は、この曲のおかげで前へ前へと希望に満ちた気持ちで終われる「ホッとする。」曲になりますが、それはまた明日のお話(*^_^*)。